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エンジニアリングマネージメントCOP の概要
エンジニアリング・マネージメントCOPへの参加者募集
ISPE日本本部では、大阪で開かれた関西懇話会で提起された「業務の考え方に製薬企業とメーカー・エンジ系企業との間に大きな隔たりがある」日本国内での現状の問題点、について、製薬企業のエンジ担当部門とメーカー・エンジ系企業との実務的な意見交換・交流を行うためにエンジニアリングマネジメントCOPを2006年に立ち上げました。2022年には「建設プロジェクトにおけるリスクマネジメントセミナー」を開催し、リスクマネジメント手法をはじめ、多くの成果物を参加者の方々に共有しました。
現在はプロジェクトマネジメントをさらに効率化するために業務フローや成果物の見直しなどの検討を行っています。
このような課題に興味をお持ちの方は、是非ISPE日本本部に参加の意志をご連絡ください。定期会合は、原則月一回開催しております。 また、随時参加可能ですので何時からでも出席可能です。自分自身の知識の取得と教育の為、次世代への引き継ぎの為、後輩の教育の手段として参加を検討頂ければ幸いです。
お問い合わせは 日本本部事務局まで
活動現状
2006年より、国際本部にはない組織として活動を始め、現時点では3グループが活動をしております。またこれまでの検討結果を、2009年11月及び2010年6月、2015年11月、2016年1月、2022年7月に開催したセミナーで発表し、さらに継続して検討を進めております。(2022年12月現在)
1)プロジェクトリスクマネジメント
医薬品設備建設プロジェクトマネジメントに関するリスクマネジメント手法の検討を行い、その成果をベースに2022年にプロジェクトリスクマネジメントに関するセミナーを開催しました。
2)引渡しGr
建設プロジェクトの後半で、ほぼ工事が終わりかけた頃から、いろいろなイベント、アクティビティがあります。例えば、メカコンと一口に言っても、その定義も多くあり、その解釈も異なりますし、官庁検査等のタイミングといった問題もあります。引渡しと言っても、財産権の引渡しから、管理権、そしてプラント全ての......と様々です。試運転、コミッショニング、クオリフィケーション(適格性評価)、ベリフィケーションと様々な言葉があります。また検収とか......こういった、プロジェクトの後半の様々なイベント、アクティビティについては、プロジェクトやプラントの種類により、フローも異なります。以上はほんの一部分ですが、こういったプロジェクトの後半部分の定義・フロー・条件・具体的な要領等について、実態を含めて2012年より検討を行い、検討結果を2015年、2016年に開催した「医薬設備建設プロジェクトマネジメントセミナー」にて発表し、検討した成果物を参加者へ提供しました。
3)ISPE Baseline Vol.4 “Water and Steam Systems 2nd edition” 翻訳
医薬関連プロジェクトの重要な要素である水関連のベースラインの改訂版が2011年末に発刊されました。その記載内容の確認も含めた翻訳作業を実施しました。
4)ISPE Good Practice Guide “Project Management for Pharmaceutical Industries” 翻訳
エンジニアリング・マネジメントを包含する「Project Management」が2011年末に発刊されました。現在、その翻訳作業を実施しました。
5)仕様書Gr
プロジェクト各ステージ(基本計画・基本設計・EPC段階等)毎の必要成果物(図書・図面)のリストおよび対応するサンプル図面類の整備が進められております。既に、原薬プラントに関する図書類は上記のセミナーで発表し、製剤プラントに関しても2012年の年次大会で発表しました。
6)契約書Gr
種々のプロジェクト形態に即した契約のあり方について、iChemE(英国化学工学協会)発行の掛高払い契約のモデルフォームとエンジニアリング振興協会発行のENAA国内プラント約款の比較検討と医薬プロジェクトの契約に反映すべき項目を整理し2012年の年次大会で発表しました。
7)GMP関連図書Gr(通称 十三分科会)
仕様書Gr活動の補完と作業のスピードアップを図るために、成果物リストおよび標準的な成果物の例の内、GMPに関連する分野に関して、更に掘り下げる為に、大阪の十三を基点として活動しております。また、ユーザー要求事項に関して再検討を行い2012年の年次大会で発表しました。
8)HVAC Gr
ISPE Good Practice Guide “Heating, Ventilation, and Air Conditioning(HVAC)”の翻訳活動が終了しました。
エンジニアリング・マネージメントCOP設立提案の背景
日本の医薬関連施設建設プロジェクトの現状を見ますと、発注企業側も建設に携わる企業も共に、責任所掌の範囲・技術移転のレベル・基本仕様の確定責任範囲などプロジェクトの骨格に関わる部分の定義あるいは所掌が明確ではないために、種々の問題点が発生しています。これは、石油あるいは石油化学系の様に、国際的な技術標準化が進んでいない事、発注企業側と受注企業側とで判断基準が異なることなど種々考えられます。
その点、欧米では、契約社会であり、リスクの考え方、Warrantyの考え方、仕様決定責任の考え方など契約をベースにした理解と共通認識が成立しておりますが、国内に於いては、契約の認識が薄く、まだまだの状態です。欧米のISPEでは、同じ事態を経験し、Baseline Guideのアイディアが出されてきたとも聞いております。